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NTM治療:患者を最優先

前述のように、ご自身が治療に積極的に参加することが重要です。以下はNTM治療ガイドラインを患者さんとその健康に適用するうえでの考慮事項です。

薬の服用 – NTMの治療では、多くの場合、複数の薬を服用する必要があります。処方された薬を、毎日すべて、必要な期間だけ服用しましょう。良くなってきたと感じても、自分の判断で服用を止めないでください。菌が長期にわたってコントロールされ、薬の服用を止めても大丈夫なときは、主治医がそう判断します。薬には副作用がつきものです。副作用がある場合は、薬の種類や用量の変更について、主治医と相談します。深刻な副作用がある場合は、すぐに主治医または薬剤師に連絡してください。軽度の副作用であれば耐えるようにしてみましょう。コントロール不良なNTM感染症の長期的な影響よりも害は少ないものです。(薬と副作用の詳細について学び、投薬スケジュールを印刷してわかるようにしておきましょう。)

薬の種類

  1. 経口薬。口から服用する錠剤または液剤。主治医の指示に従って服用します。薬剤は菌の種類に応じて有効な組み合わせで処方されます。錠剤を飲み下すのが難しい場合、服用時に頭を後ろに傾けるのではなく、下を向いてあごを胸に近づけて錠剤を飲み下すようにします。すりおろしたリンゴなど柔らかい食べ物といっしょに錠剤を飲み下す方法もあります。
  2. 静脈注射薬(点滴薬)。ポートまたは末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC)ラインから注入する薬剤(注:現在日本ではどちらも一般的ではなく、末梢静脈からの点滴が用いられます)。病院でも在宅でも行うことができます。静脈注射での治療は本来は比較的短期間(数週間)で行いますが、もっと長い期間継続して治療することもあります。治療薬の投与頻度は必ず確認してください。他の感染症が生じるのを防ぐために、中心カテーテル(ポート)や末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC)ラインの手入れ方法を知ることも非常に重要です。
  3. 吸入薬。肺または鼻に直接吸入することができ、副作用や合併症の可能性を最小限に抑えます。抗菌薬や抗炎症薬(ステロイドなど)、気管支拡張薬などには、吸入薬の剤形があります。雑菌の混入や肺への感染を防ぐために、ネブライザーを滅菌状態に保つお手入れ方法を知ることが非常に重要です。使用後にはユニット内に薬物が残らないようにし、細菌の増殖を避けるためにチューブ類を乾燥させます。主治医の指示に従ってネブライザーのマウスピースを定期的に滅菌消毒してださい。一部の吸入薬は、定量吸入器で使用します。肺や副鼻腔内に薬の全量が行き渡って効果が得られるように、吸入器の適切な使い方について、主治医または呼吸療法士から説明を受けてください。

聴力・視力およびその他の検査。処方される抗菌薬の中には、聴覚や視覚に影響を及ぼす可能性のあるものがあります。自分で視覚の異常に気づいた時点では遅すぎるかもしれないので、定期的に検査を受けることをお勧めします。他の抗生物質は、最初に高周波数の範囲で聴覚を損傷する可能性があるため、進行するまで損傷に気付かない可能性があります。肺NTM症の治療を開始する前に、主治医と相談して、ベースラインとなる聴力検査と視力検査を受けてください。視力の損傷を検出するには特別なトレーニングや機器が必要になる場合があるため、視力については、神経眼科医の診察を受けることをお勧めします。特定の心臓疾患のある患者が、ある種の抗菌薬を使用すると危険な不整脈が起こるリスクがあります。該当する抗菌薬を使用する場合、主治医と相談して問題となる症状がないか調べ、定期的に心電図検査を受けましょう。

肺と副鼻腔の浄化(気道浄化)。過剰な粘液が肺に溜まり、病気になることがあります。肺から粘液を取り除くための方法は、主治医と相談してこれまでにいくつか試しているかもしれません。胸部理学療法(胸部PT)には、体位ドレナージ法、振動性呼気陽圧呼吸器治療装置を使用する方法や、PEPバルブを使用する方法、空圧ベストまたは電気ベストを使用する方法、生理食塩水を吸入する方法があります。呼吸療法士は、深い咳または息を吐くような咳などの詳しい浄化方法を指導してくれるでしょう。痰を排出するたびに、肺にダメージを与える粘液がその分だけ減り、抗菌薬が打ち負かすべき菌が少なくなるのです。主治医や呼吸器療法士が、使用すべき療法を決定し、その実施方法を指導してくれます。

主治医から、1日に1~2回副鼻腔を洗浄するように指示された場合には、正しい手順を確認しておきます。副鼻腔洗浄の目的は、余分な粘液を取り除き、この粘液が肺に排出されるのを防ぐことです。他の感染症を引き起こす可能性のある汚染された機器の使用を避けることが非常に重要です。呼吸療法士から、副鼻腔洗浄方法について説明を受けましょう。(副鼻腔洗浄ガイドラインについては、ここをクリックしてください。)

十分に水分をとること。 – NTM症患者は十分に水分を摂る必要があります。水分は、粘液分泌物を薄めて気道から粘液を取り除く役に立ちます。また、腎臓や肝臓が薬を代謝するのを助けます。アルコール、コーヒー、紅茶など利尿作用のある飲料は、脱水症状を引き起こすおそれがあるため、最小限に抑えるようにします。

運動。全身持久力を維持し、向上させるために重要です。運動で激しい呼吸をすると、肺がきれいになると感じる患者もいるようです。ウェイトトレイニングをすることで、筋肉において血液から酸素を取り込みやすくします。運動は多くの場合、治療計画の一環として推奨されますが、運動管理療法を始める前に、どのような運動をどの程度行うか主治医と話し合う必要があります。

メンタルヘルスを大事にする。慢性疾患の多くの患者は、日常生活や社会生活への影響で気分が落ち込むようです。肺NTM症は対処が困難な場合があるため、必要なだけ多くのリソースを使用してサポートを受ける必要があります。気分が落ち込んでいる場合は、我々のオンラインフォーラムと地域の支援団体に加えて、薬剤なりセラピストなりの追加のメンタルヘルスのサポートについて主治医に相談してください。

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