エアロゾル化 –懸濁液が微量な粒子となり、空中に浮遊・拡散する状態のこと。霧(ミスト)、水蒸気はエアロゾルの1種です。
抗酸菌塗抹検査 – マイコバクテリアは抗酸菌(AFB)に属します。最初の検査は、顕微鏡で喀痰検体に微生物がいないか調べる抗酸菌塗抹検査です。喀痰中に微生物が見つかった場合、次は培養してNTMかどうかを同定します。培養で陽性の結果が出るまで数週間かかることがあります。喀痰中のNTMの菌種を判定するには、さらに追加の検査が必要です。そのため、最初の抗酸菌塗抹検査でも、設備の整った検査室で行う必要があります。
気道クリアランス装置 – 気道の振動、呼吸抵抗などの方法によって、肺から粘液をほぐしきれいにするのを助ける装置。これらの機器や方法についての詳細な情報については、ここをクリックしてください。
α1アンチトリプシン欠損症 – α1アンチトリプシンと言われる蛋白質の産生に障害がある遺伝性疾患。肺中にある蛋白活性の低下や、肝臓への蛋白の蓄積により、深刻な肺または肝臓の障害を引き起こします。α1アンチトリプシン欠損症は肺NTM症の合併症として知られています。
アスペルギルス – 肺の真菌感染症の原因となりうる病原菌。
自己免疫疾患 – 患者の免疫システムが誤って自分の健康な体組織を攻撃して傷つける疾患。
バイオフィルム – 微生物(細菌など)などが互いに表面同士でくっついてできた集団のこと。このような凝縮塊は、多くの場合、粘液とも言われる細菌自らが産生した細胞外高分子物質(多糖類か、脂質(NTMの場合)のいずれか)に埋め込まれています。バイオフィルムは生体(肺組織など)や非生体(家庭用配管など)の表面に形成され、自然界、居住環境、職場や病院の環境など至るところにみられます。水道管の内側にはほとんどの場合バイオフィルムが形成されています。
気管支拡張症 – 気道(気管支)の損傷が原因で起こる病態。気道平滑筋や気道の弾性組織を損傷させるこのような変化を、気管支拡張症と呼びます。詳細については、ここをクリックしてください。
気管支鏡検査 – 口または鼻を介して挿入される柔らかいチューブ状のカメラを使って、気道を観察したり、肺から検体を採取したりする検査。痰を喀出することができない場合、主治医はこの方法で痰を採取することがあります。
呼吸理学療法 – カップの様に丸めた手で患者の胸を叩いたりバイブレータを使うなどして、分泌物を柔らかく動きやすくし、痰の喀出を促進します。多くは体位ドレナージと組み合わせて行われます。
併存疾患 – 原因疾患(障害)に併存する疾患(障害)、またはそのような付加的な疾患(障害)による患者への影響のこと。
COPD(慢性閉塞性肺疾患) – 肺気腫、慢性気管支炎、気管支拡張症など持続的な気道閉塞性疾患の総称。
嚢胞性線維症 – 肺と消化管に障害を引き起こす遺伝性の慢性肺疾患。嚢胞性線維症は、肺NTM症の重大な合併症です。詳細については、ここをクリックしてください。
肺気腫 – 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の進行した病態で、肺胞や肺の末梢気道が損傷した結果、呼吸困難に至ります。肺気腫は通常喫煙が原因です。
グラム陰性菌感染症 – グラム陰性菌は気道感染を起こすことがある菌群です。NTM患者の中には、緑膿菌、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニーなどのグラム陰性感染を合併していることがあります。
喀血 – 咳とともに血液を吐き出すこと。
免疫調節不全 – 抑制が効かない、または制御されていない免疫応答のこと。不適切に活性化、または脆弱になった免疫反応。
ネブライザー(吸入器) – 霧状の薬を肺に吸入するための医療器具。細菌を再吸入しないように、ネブライザーを清潔に保ちましょう。
日和見感染 – 通常の免疫状態では病気を起こさない微生物による感染症。気管支拡張や他の因子によって、一部のNTM患者は後に日和見感染を起こすかもしれません。
PCD(原発性線毛機能不全症) – 遺伝性の線毛運動不全。線毛運動は、肺、副鼻腔や耳で細菌や分泌物を除去し、感染や病気を防ぐ役割を担っています。PCD患者は、線毛の機能が低下しており、肺、耳や副鼻腔に慢性的・再発性の感染症を起こします。
PICC – 静脈注射のための末梢挿入中心静脈カテーテルのこと。通常腕に挿入されます。
ポート – 静脈注射のために静脈に挿入された、埋込み型のアクセスラインのこと。
体位ドレナージ – 重力で痰が出やすくするよう体の向きを変えること。患者は頭や肺を下にした体位をとったり、体を傾けたりします。肺の理学療法も同時に行うことがあります。
プロバイオティクス – 「善玉菌」や「有益細菌」ともいわれる。プロバイオティクスは生きた細菌であり、人体に自然に生息する菌と同一、または類似した菌です。特に、多様性に満ちた複雑な細菌集団がいる下部消化管に認められます。
シュードモナス(緑膿菌) – グラム陰性菌でNTM患者の肺に感染することがあります。
パルスオキシメーター – 血液中の酸素濃度を測定する医療機器。指に装着します。
シェーグレン症候群 – 免疫系が患者の分泌腺を攻撃する慢性の自己免疫疾患。他の重要な臓器の機能不全を起こしたり、全身倦怠感や関節痛を認めることがあります。患者の多くは女性です。
痰/粘液 – 粉塵や細菌、その他の微粒子を除去するために体が産生する濃い分泌物で、肺や気道、副鼻腔にみられます。
耳鳴り – 特定の抗生剤の使用で引き起こされることがある耳の中で鳴り響く音。耳鳴りは、甲高くキーンと鳴ったり、ブーン、シュー、ゴーゴーなどと聞こえることもあります。