Donate Now
Donate Now

栄養ガイド

NTMを管理するうえで、栄養の役割は非常に重要です。治療計画の一環として、健康的な体重の達成と維持、バランスの取れた食事の摂取を検討する必要があります。このガイドでは、さまざまなトピックを扱い、NTM患者が遭遇する一般的な栄養問題に対処する方法についての役立つヒントが得られます。適切な栄養を達成する活動に積極的に参加し、健康的な体重を維持するためにできる最善のことは何かを理解する必要があります。多くの場合、医師や栄養士に相談すると役立ちます。この栄養ガイドには、患者さんへの提案が記載してありますが、医学的な文書ではありません。ご質問やご心配な点がございましたら、担当医師または栄養士にご相談ください。AboutNTM.comでも、栄養や健康的な生活習慣について詳しく知ることができます。

体格指数とは何ですか?

体格指数またはBMIは、身長に対する体重の割合を計算したものです。全般的な健康の指標として使用できるため、BMIを知ることは重要です。筋肉と脂肪の体組成を表すものではありませんが、それでも有用なツールです。式は[体重(kg)÷身長(m)の二乗]です。以下の手順に従ってBMIを算出します:

1. ポンド単位の体重を2.2で割って、キログラム単位の体重を求めます。
(例:体重130ポンドの場合、体重59.1キログラム)

2. インチ単位の身長に0.0254を乗じて、メートル単位の身長を求めます。
(例:身長65インチの場合、身長1.65メートル)

3. メートル単位の身長にメートル単位の身長を乗じて、身長(m²)を求めます。
(例:身長1.65メートルの場合、身長2.7225(m²))

4. 体重(kg)を身長(m²)で割ってBMIを求めます。
(例:体重(kg)=59.1、身長(m²)=2.7225、BMI=21.7)

BMIを計算したら、次のカテゴリのいずれかに分類します。

•低体重:BMI <18.5 • Normal weight: BMI 18.5-24.9 • Overweight: BMI 25.0-29.9 • Obese: BMI>30

BMIが18.5未満の場合は、体重を増やすようにします。NTMと積極的に戦っている間は、BMI目標を少なくとも20にすると良いでしょう。

減量

体重減少/増加、食欲不振

NTMでよく見られる副作用は、意図しない体重減少です。診断の前に起こることもあれば、後に起こることもあります。体重減少は、抗酸菌感染症に対する体の反応、カロリー(エネルギー)必要性の増加、食欲減退、早期満腹感(すぐに満腹感がある)、吐気、味覚の変化、薬物の副作用、倦怠感など、多くの要因によって起こります。

体重を増やす最善の方法は、もっと食べることです。しかし、NTM患者は体重減少と同時に食欲が低下することが多く、食事量を増やすことが困難になります。可能な場合、食欲減退を治療するには、まず根本的な原因を治療することです。口内炎、口渇、痛み、うつ病などの病態の治療は、食欲の改善に役立つはずです。この他の食欲減退およびそれによる体重減少の治療としては、食欲刺激薬、食物が腸内を移動するのを助ける薬物、および栄養補助飲料が考えられます。

食べたくないと思うかもしれませんが、適切な栄養と健康的な体重の維持は、全体的な治療の重要な部分であることを念頭に置きましょう。また良く食べることによって、身体的にも精神的にも治療の効果が表れます。

食欲不振の場合に適切に栄養をとるためのヒント

・食べ物を薬のように予定通りに摂取します。忘れずに「服用」してください。

・少量の食事を1日5〜6回とり、空腹時にはいつでも軽食をとってください。

・最も空腹な時間帯を特定し、その時間帯に必ず食べるようにします。食べる量に制限はありません。

・いつでも軽食を用意しておき、食事の間に毎日2~3回は指定の軽食時間を設けます。

・カロリーとタンパク質を多く含む栄養豊富な軽食をとります。

・好きな食べ物を手元に置いて、いつでも軽食や食事をとれるようにしておきます。

・準備が簡単な食事や、テイクアウトに注目します。

・チーズ、ピーナッツバター、ナッツを加えることによって、食品にカロリーとタンパク質を添加します。

・脂肪にはカロリーが濃縮されています。少量の植物油、バター、またはマーガリンによって、食品のカロリー含有量を増やすことができます。

・同じ食品でも高カロリーのものを使用します(ソーダクラッカーではなくバタークラッカーやチーズクラッカー)。

・「ライト」製品(スキムミルク、低脂肪ヨーグルトおよびカッテージチーズ、低カロリーマヨネーズ、低脂肪サラダドレッシングなど)は避けます。

・水分でおなかを満たしてはいけません。水分は1日を通して1時間あたり180ml程度に制限し、就寝前の3時間は飲食しないようにします。

・食事の時間にサラダなどの低カロリー食品でお腹を満たさないようにしてください。

・全乳、ミルクセーキ、ジュースなどの栄養価の高い飲み物を選びます。Boost®やEnsure®などの栄養ドリンクを検討してください。

・疲れて食事の準備ができないときは、家族や友人に頼みましょう。食料品やお惣菜を買ってきてもらいます。

・快適な環境で、家族や友人と食事をしてください。

・嘔気、嘔吐、便秘などの消化器症状を緩和する方法については主治医に相談してください。

・味覚が低下した場合は、マイルドなスパイスと調味料を加えて、食欲を増進する食事にしてください。

・NTM患者によっては、貧血(血液中の鉄分が少ない)が起こり疲労感が高まることがあります。この可能性について医師に相談し、貧血の場合はほうれん草など鉄分豊富な食品の増量や毎日の鉄補給について主治医に相談してください。

・食欲を刺激するために、食事の約1時間前に20分歩くなどの軽い運動を試みてください。(運動プログラムを開始する前に主治医に相談してください。)

・登録栄養士(RD)と会って、食事計画に関する追加の助言を受けてください。

・3日間の飲食をすべて記録して、カロリー摂取改善機会の評価を検討してください。この日誌は、主治医または栄養士と一緒に閲覧することもできます。

軽食例

・アップルソース
・パン製品
・ポップコーン
・ケーキ
・穀物加工食品
・シリアルバー
・牛乳(成分無調整またはチョコレート)
・クッキー
・カッテージチーズ
・クリームチーズ
・ドライフルーツ
・鶏卵
・エネルギーバー
・冷凍ヨーグルトまたはアイスクリーム
・フルーツ
・ゼラチン
・グラノーラ
・スムージー
・ジュース
・ミルクセーキ
・ナッツ
・栄養補助食品(Boost、Ensure)
・ピーナッツバター
・ピザ
・プリン
・サンドイッチ
・ヨーグルト

カロリーを高める方法について

体重増加を促進するもう1つの方法は、いつも食べている食品のカロリーを増やすことです。以下の数字を目安にしてください。1日500カロリー増量すれば、週に約1ポンド体重が増えるはずです。

グラノーラ:1/4カップ=130カロリー
・ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、カスタード、フルーツに振りかけます。
・ドライフルーツやナッツと混ぜて軽食にします。
・フルーツと層にして焼きあげます。
・クッキー、マフィン、パン生地に使用します。

バター、マーガリン、オイル:大さじ1杯=100~125カロリー
・スープ、マッシュポテト、ベークドポテト、ホットシリアル、ご飯、パスタおよび野菜に加えます。
・パンをオリーブオイルに浸します。
・ハーブや調味料と組み合わせて、調理した肉、ハンバーガー、魚、卵料理に使用します。

チーズ:1オンス=75~130カロリー
・サラダや野菜に加えたり、主菜に添えたりします。
・スライスチーズを軽食用または単品として使用します。
・新しいチーズをいろいろ試してみてください。

マヨネース:大さじ1杯=100カロリー
・サンドイッチの両方のパンに付けます。
・サラダに混ぜます。

ピーナッツバター:大さじ1杯=90カロリー
・クラッカー、セロリや、リンゴ、バナナ、ナシなどのフルーツに塗ります。
・トーストやイングリッシュマフィンに使用します。

クリームチーズ:大さじ1杯=50カロリー
・パン、マフィン、フルーツスライス、ベーグル、クラッカーに塗ります。
・野菜に添えます

蜂蜜、ジャム、ゼリー、シロップ、砂糖:大さじ1杯=45~60カロリー
・パン、シリアル、乳飲料、フルーツとヨーグルトのデザートに加えます。
・バターを塗ったトーストにシナモンシュガーを振りかけたりジャムを塗ったりします。
・肉や鶏肉にグレーズとして使用します。
・ピーナッツバターと混ぜて、フルーツディップまたはクラッカースプレッドにします。

サワークリーム:大さじ1杯=25カロリー
・クリームスープ、ベークドポテト、マカロニとチーズ、野菜、ソース、サラダドレッシング、シチュー、焼き肉、魚に加えます。
・新鮮なフルーツや野菜のディップとして使用します。
・ケーキ、フルーツ、ゼラチンのデザート、パン、マフィンのトッピングとして使用します。

ドライフルーツ:カロリーにバラつきがあります
・調理して、朝食、デザート、または軽食にします。
・マフィン、クッキー、パイ、パン、ケーキ、ご飯や穀物料理、シリアルに加えます。
・ニンジン、サツマイモ、ヤムイモ、カボチャなどの調理済み野菜と合わせて、冷製サラダに加えます。
・ナッツやグラノーラを混ぜて軽食にします。

タンパク質の摂取

十分なタンパク質、特に脂肪分の少ないタンパク質を摂取することが重要です。体内のすべての細胞にはタンパク質が必要です。これは筋肉、酵素、ホルモン、および感染と戦う抗体の主要な構成要素となります。NTM感染と戦っている体は通常よりも懸命に働いているため、タンパク質の必要性が高まっているのです。

毎日何グラムのタンパク質を摂取すべきか決めるのは困難です。1日に必要なタンパク質の摂取量を推定する良い方法は、ポンド単位の体重を2で割ることです。(例:体重=約59㎏、1日に必要なタンパク質の推定量=65グラム)体重が減った場合は、その数値に1.2を掛けます。(例:体重=約59㎏、1日に必要なタンパク質の推定量=78グラム)

タンパク質の必要量は、年齢、病気、体重減少、手術の前後などさまざまな事柄によって増える可能性があります。

腎臓に問題がある場合は、食事療法について必ず主治医に相談してください。

あなたのような患者さんには、以下のような食事が推奨されます。

脂肪分の少ないタンパク質:豆、鶏肉、鶏卵、魚、肉、ナッツ、シーフード、大豆、七面鳥、乳製品、チーズ、ヨーグルト
穀物:大麦、オートミール、キノア、米、全粒粉
非柑橘類:リンゴ、バナナ、ベリー、メロン、モモ、ブドウ
野菜:ピーマン、ブロッコリー、ニンジン、キュウリ、タマネギ、カボチャ
でんぷん:コーンスターチ、片栗粉
ハーブおよびスパイス:バジル、コリアンダー、オレガノ、ローズマリー、タイム

水分補給

NTM症の患者には、より多くの水分が必要です。粘液分泌物を薄めるには水分が欠かせません。これは、気道から粘液を取り除くのに役立ちます。私たちの体は、体温を調節し、細胞に栄養素を運び、薬物を代謝し、老廃物を取り除き、便を柔らかく保ち、皮膚と組織に潤いを与えるために水分を必要とします。その重要性にもかかわらず、水はしばしば「忘れられた栄養素」と呼ばれています。

通常の身体機能により、毎日2.5~3クォート(10〜12カップ)の水分が失われています。気温の上昇、発熱、または身体活動の増大により、より多くの水分が失われます。また加齢とともに、通常の腎機能がゆっくりと低下することで、より多くの水分が失われます。失われた水分は毎日補給する必要があります。

喉の渇きは、常に水分の必要性を示す指標になるとは限りません。脱水症状になるまで喉の渇きを感じないことが多いのです。激しい運動の後で汗や肺から失われた水分を補給する必要があっても、喉が渇かないこともあります。65歳を超えると、喉の渇きを感じない傾向があります。

1日にコップの水を約240ml飲む必要があるとよく耳にします。これは良い目安にはなりますが、多くの異なる薬を服用しており、1日を通して気道クリアランスを行い、分泌物を薄める必要がある人は、それ以上の水分補給が必要になることがあります。特定のニーズについては、医師または登録栄養士に相談してください。

特定の液体は、補液の要件として計算することができますが、できないものもあります。アルコール飲料は脱水作用があるため、毎日の目標の計算には含めません。カフェイン(コーヒー、紅茶、カフェイン入りソフトドリンク)も利尿作用があるため、脱水状態を悪化させる場合があります。

1日の補液目標として計算できる液体の例としては、以下のものがあります。
・常水
・牛乳
・ジュース
・フルーツ飲料とポンチ
・ソーダ
・栄養補助飲料(Boost®、Ensure®、Scandishake®)

さまざまな液体のカロリー含有量は重要な考慮事項となります。1日の食事に数杯の人工甘味料入り飲料を安全に摂取することができます。体重を増やす必要がある場合は、水や低カロリー飲料の代わりに、乳脂肪2%の牛乳または全乳、ジュース、ミルクセーキ、栄養補助飲料などの高カロリーの液体を選択してください。

経口栄養補助食品

経口栄養補助食品は、毎日のカロリー摂取量を増やすための良い方法です。ほとんどの栄養補助食品は、食料品店または薬局で入手できます。多くはオンラインでも注文できます。栄養補助食品は食事の代わりにはなりませんが、体重増加と水分補給には重要な役割を果たすでしょう。

サプリメント カロリー タンパク質(g)
Ensure®(8オンス) 250 9
Ensure Plus®(8オンス) 350 13
Boost®(8オンス) 240 10
Boost Plus®(8オンス) 360 14
Scandishake®(1包) 440 5
Scandishake®(8オンスの全乳入り) 600 13
Resource Breeze(8オンス) 250 9

ビタミン剤およびミネラルサプリメント
NTMと戦う場合、一般的にマルチビタミン/ミネラルサプリメントを摂取すると良いと考えられています。特に体重を増やすことに重点を置いている場合は、推奨されるすべてのビタミンとミネラルを1日で消費することは困難です。ビタミン剤やミネラルサプリメントを摂取する場合は以下が目安になります。

・栄養補助食品は一部の薬物療法を妨げる可能性があるため、栄養補助食品の摂取を開始する前に、主治医、薬剤師、または栄養士に確認してください。これは、通常複数の処方薬を同時に服用するNTM患者には特に重要です。

・マルチビタミン/ミネラルサプリメントは食事と一緒に摂取してください。空腹時に摂取すると、胃のむかつきとともに吸収不良が生じることがあります。

・抗生物質と同時にマルチビタミン/ミネラルサプリメントを摂取しないでください。ミネラルには結合作用があるため、薬の吸収を妨げることがあります。抗生物質服用の前後に栄養補助食品を摂取する場合は、少なくとも2時間は間隔をあけてください。

カルシウムおよびビタミンD
カルシウムとビタミンDは、生涯を通じて骨の正常な成長、発達、維持に必要です。カルシウムの1日推奨量を食事のみから毎日摂取することは困難です。カルシウム/ビタミンDサプリメントをマルチビタミン/ミネラルサプリメントと一緒に毎日摂取することを検討してください。カルシウムサプリメントを摂取するためのガイドラインは以下のとおりです。

・カルシウムは、一度に500-600 mgを超えない用量で別個に摂取した場合に最もよく吸収されます。

・炭酸カルシウムおよびクエン酸カルシウムが好ましい供給源になります。

・炭酸カルシウムは食事と一緒に摂取します。クエン酸カルシウムは、食事の有無にかかわらず摂取できます。

・クエン酸カルシウムの吸収性は、胃酸の生成が減少する高齢者や制酸剤を服用している人の方が高いと考えられます。

・クエン酸カルシウムでは、人によっては膨満感、便秘、および胃のむかつきが少なくなります。

・1日の摂取量が、カルシウムは2500 mg、ビタミンDは2000 IUを超えないようにしてください。

・抗生物質服用の前後にこれらの栄養補助食品を摂取する場合は、少なくとも2時間の間隔をあけてください。

・カルシウムの過剰摂取は、腎結石や腎不全などの重大な医学的問題の原因となる可能性のある患者さんもいます。カルシウムの摂取量の増加については医師にご相談ください。

プロバイオティクス
プロバイオティクスは、消化器系に利益をもたらす可能性がある生菌です。NTMの抗生物質を服用中にプロバイオティクスを摂取することで、吐き気、下痢、膨満感、けいれんなどのよく見られる消化器系の愁訴を減らすことができます。プロバイオティクスは、ほとんどの薬局および健康食品店で見つけることができます。ボトルの指示に従い、抗生物質服用の前後にプロバイオティクスを摂取する場合は、少なくとも3時間は間隔をあけてください。

食品薬物相互作用
処方薬によっては、薬を服用する際または一定時間内は特定の食品を避ける旨の説明があります。吸収と有効性を最大にするには、薬に関する指示に注意を払ってください。

ハーブサプリメント
NTMの抗生物質治療中にハーブ系サプリメントの摂取を検討している場合は、医師、薬剤師、または栄養士に相談して、サプリメントと薬の間に潜在的な悪影響がないことを確認してください。

食品薬物相互作用とアルコール

食品薬物相互作用

処方薬によっては、薬を服用する際または一定時間内は特定の食品を避ける旨の説明があります。吸収と有効性を最大にするには、薬に関する指示に注意を払ってください。

アルコール

多くの人にとって、夕食と一緒に飲むワインや、友人と一緒に外で飲むカクテルは人生の一部です。ほとんどの場合、NTMの治療中に適量のアルコールを摂取しても問題ありません。アルコールには脱水作用があり、薬の作用を妨げる可能性があるため、医師に相談して肝臓が適切に機能していることを確認し、アルコールの摂取は1日1杯までに制限してください。

最新情報を入手する

NTMirニュースリリースのサインアップ